公開日:2023/11/27

札幌ラーメン×沖縄国際物流ハブ×香港で市場開拓 海外進出、先駆者に学ぶ<どさんちゅセミナーwith沖縄大交易会>

北海道と沖縄の経済交流から日本を元気にする「どさんこしまんちゅプロジェクト」(事務局・北海道新聞社)は11月16日、「どさんこしまんちゅセミナー」を宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開きました。国内最大規模の国際食品商談会「 沖縄大交易会 」と初めて併催し、イベント名も「どさんこしまんちゅセミナー with 沖縄大交易会」とグレードアップ。国内外約350社のバイヤー・サプライヤーが集結した大交易会会場の一画で行いました。

セミナーテーマは「食と物流 海を渡るどさんちゅ企業~トップランナーが描く世界展望~」。キーノート(基調講演)には、札幌ラーメンの代表的企業「西山製麺」の西山隆司社長と、那覇空港で国際物流ハブ事業を手掛ける沖縄ヤマト運輸の赤嶺真一社長が登壇しました。

 

西山製麺 西山隆司社長

西山氏は、「札幌ラーメン」の特徴として▽卵入りのアシコシが強い麺▽フライパンであおりながら炒める野菜▽スープに味噌を溶かす―などを挙げ、地域独自のラーメン文化が生まれた歴史的背景を豊富なエピソードとともに紹介しました。札幌ラーメンの人気拡大とともに西山製麺も成長し、現在では欧州や米国を中心に世界35カ国に展開。売り上げの海外比率は15%にまで躍進し、このうち7割が欧州向けだと明かしました。

西山氏は海外事業成長の要因として、札幌ラーメンを海外展開したい飲食店には「麺」と「たれ」を売るだけではなく、現地に社員を派遣して調理法指導も含めた開業支援を行っていることを挙げました。「最初のお客さまにご繁盛いただければ、そのお客さまが次のお客さまを紹介してくれるようになります。お客さまを呼び込む『地域一番店』をつくることが大切」と話し、取引先を徹底的に支える姿勢が海外においても重要だと指摘しました。

 

沖縄ヤマト運輸 赤嶺真一社長

赤嶺氏は、ヤマトホールディングスが那覇空港で進めている「国際物流ハブ」の取り組みを説明。九州の荷物を船舶で沖縄に集め、飛行機でまとめて海外に発送する「シップ&エアー」方式や、海外に輸出した日本製機械の保守修繕を那覇空港の保税区域(関税がかからないエリア)に設けて迅速に行う取り組みなど、コストとリードタイムを低減する様々な事例を紹介しました。

赤嶺氏は「わたしたちは、お客さまのビジネスにどうやって黒子として役に立てるかを大切にしてきました。ヤマト運輸は宅急便で有名な会社ではありますが、どのような運び方がよいのか、(宅急便以外の方法についても)それぞれのお客さまと一緒に作り上げています」と話しました。

 

(左から)西山製麺・西山隆司社長、沖縄ヤマト運輸・赤嶺真一社長、新垣通商(香港)有限公司・新垣美佳董事長

続くパネルディスカッションには西山氏と赤嶺氏に加え、沖縄県産品を香港でセールスしている新垣通商(香港)有限公司の新垣美佳董事長(とうじちょう)が参加し、北海道と沖縄の食品を海外展開するためのヒントについて意見交換しました。

新垣氏は、沖縄県産のもずくが香港では健康食品の一つとしてクラムチャウダーの具材になるなど、国による食習慣の違いをつかむことが海外市場のマーケティングには大切だと指摘。「使う水一つにしても硬水と軟水の違いがあり、働き方も食文化もそれぞれに違いがある。地域や顧客に寄り添いながら、時間をかけてじっくりマーケティング戦略を考えている」と話しました。

琉球新報2023年11月17日掲載。琉球新報提供。

会場には、当プロジェクトの沖縄開催イベントで過去最多となる約110名が来場。セミナー終了後には、どさんこしまんちゅ限定の沖縄大交易会視察ツアーも行われ、日本各地の食品サプライヤーや海外バイヤーが集う国際商談の現場を見学しました。

 

 

懇親会は、那覇・国際通りに開業したオリオンビールの直営飲食店 「 THE ORION BEER DINING 」をオープン前に特別にお借りして開催しました。美味しいオリオンビールと沖縄県産品にこだわった多彩なお食事に加えて、「北海道の食」コーナーでは西山製麺「Sapporo油そば」、石屋製菓「白い恋人」、日本ハム「シャウエッセン北海道プレミアム」も提供されました。